机上にある付箋の表紙。「ボーっと生きてんじゃねーよ!」というフレーズが刺激的だ
机上にある付箋の表紙。「ボーっと生きてんじゃねーよ!」というフレーズが刺激的だ

 ピカピカの1年生もようやく小学校に慣れた頃だろうが、大型店では早くも来年の新入生向けのランドセル商戦が活発化している。この時期よく耳にするのが「ラン活」という言葉。子どものランドセルを選ぶ活動を表す造語ながら、個人的には「ランドセル選び」の方がすっきりする▼就職活動を略した「就活」。「しゅうかつ」という読みは同じでも、財産整理など人生の最期に向けて行う「終活」。世の中は、さまざまな「活」であふれている▼先日、新たな「活」の存在を知った。「呆活(ぼうかつ)」。文字通り、ぼーっとする時間を意識的につくり、心を整える活動のこと。発案したのは文筆家の寺井広樹さん。5分間だけでも、何も考えずにぼーっとすることで頭がリラックスし、その後の仕事や勉強に集中できるという▼なるほど、理屈は分かる。早速職場で試してみた。目はつむらず一点を見つめ、頭を空っぽにする。だが、これが難しい。口が半開きになるほどリラックスするのが理想らしいが、人目も気になる。そんな時はトイレにこもるのがいいらしい▼少しだけ集中力を取り戻し、パソコンに向かい直すと、メモ用に置いている机の上の付箋が目に入った。NHKの人気キャラクターが印刷された表紙にあるのは「ボーっと生きてんじゃねーよ!」の文字。でもねえ「チコちゃん」。たまには、ぼーっとした方が頭はすっきりするらしいよ。(健)