大相撲初場所で優勝した豊昇龍に、土俵上で内閣総理大臣杯を手渡す石破茂首相(右、当時)∥1月?日、東京・両国国技館
大相撲初場所で優勝した豊昇龍に、土俵上で内閣総理大臣杯を手渡す石破茂首相(右、当時)∥1月?日、東京・両国国技館

 大相撲九州場所は中盤戦。テレビ画面越しに熱戦に目をやりながら、あの人の動向が気になった。「ガラスの天井」を破り憲政史上初の女性首相になった高市早苗氏。千秋楽の土俵上で優勝力士に内閣総理大臣杯を渡す場面があるのだろうか。

 角界には土俵に女性が上がれない「女人禁制」の伝統がある。1990年に森山真弓官房長官が土俵上で総理大臣杯を渡したいとの意向を示したが、「伝統文化を守りたい」と日本相撲協会が拒否。2000年代前半には太田房江大阪府知事が知事賞授与を求めたものの実現しなかった。

 伝統を見直す機会は7年前にあった。春巡業で京都府舞鶴市長が倒れた際、救命処置をした女性に土俵から下りるよう促した場内放送が批判を浴びた。これを受け相撲協会は有識者から意見を聞くなどしたが、その後明確な方針は示されず“水入り”状態が続く。

 01年夏場所の表彰式で小泉純一郎首相が「痛みに耐えてよく頑張った。感動した」と横綱貴乃花をたたえたシーンは話題になった。とはいえ首相は多忙なため、授与は代理対応するケースがほとんど。今年1月の初場所は石破茂首相が行ったが、首相自らの授与は6年ぶりだった。

 高市首相は相撲文化を大切にしたい意向という。それでも相撲協会を“寄り切って”角界の「ガラスの天井」も突き破れば、男女間の格差解消を国内外にアピールする好機になると思うが。(健)