バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)の島根スサノオマジックは6、7日、ファイティングイーグルス名古屋に連勝し、レギュラーシーズンを48勝12敗、西地区2位で終えた。西地区1位は同じ48勝12敗の琉球ゴールデンキングスで、直接対決の得失点差でスサマジを上回った。この結果、チャンピオンシップ(CS)準々決勝で、スサマジは東地区2位のアルバルク東京との対戦が決まった。2回に分けて、レギュラーシーズンを振り返り、CSの行方を占う。
(本社ニュースセンターデスク・舟越幹洋)

宿命のA東京戦、撃破のカギは? スサマジ「俺たちはまだ上を」 <下> 

CSの組み合わせ



【撮れたて写真特集】スサマジ FE名古屋に勝利 西地区2位確定

【撮れたて写真特集】スサマジ、レギュラーシーズン最終戦も勝利

レギュラーシーズン最終戦に勝利し、円陣を組む島根スサノオマジックの選手とポール・ヘナレ監督(右)

 6日、FE名古屋との初戦、見る側はハラハラした。琉球は広島ドラゴンフライズとの対戦で、琉球が連敗し、スサマジが連勝すると西地区1位になる。広島は日本人、外国人とも力のある選手がそろい、レギュラーシーズン後半になってチームとしてのまとまりがでてきた。広島のホームでの試合で琉球が連敗する可能性も十分にあると思った。
 

 結果、琉球は広島に苦しみながらも初戦を勝ち、西地区(今シーズンから地区割が変更)での6連覇を決めた。試合が終わった直後、琉球の選手がホッとした表情を浮かべ、チームメートと抱き合って喜んでいたのが印象的だった。

▽琉球は苦しんだシーズン

 6連覇だが、琉球にとってはそれだけ、苦しんだレギュラーシーズンだった。主力の外国人選手と日本人選手が抜け、レギュラーシーズンの前半は「これがあの琉球か」と思うほど、チーム力が下がっていた。
 

シュートを決める琉球の岸本隆一(共同)

 しかし、さすがにBリーグを引っ張ってきたチーム。昨年末から、立ち直ってきた。日本代表に選ばれ、もともと力はありながら、性格的な面でおとなしいのか、自信なさそうにプレーしていたガードの岸本隆一とフォワードでシューターの今村佳太が役割を自覚し、攻守でより積極的なプレーを見せるようになり、チームを引っ張った。

ドリブルで攻め込む琉球の今村佳太(共同)

 今村は接戦になると3点シュートを打つのをビビっていたように見えたが、シーズン終盤は、堂々としたプレーをするようになった。岸本もドリブルイン、3点シュートと、隙あればゴールを狙う姿勢になり、相手チームのディフェンスは守りにくくなった。

▽CSに西地区から4チーム出場

 その琉球も西地区1位を決め、ホッとしたのか、広島との最終戦は敗れた。西地区のレベルの高さはレギュラーシーズンで証明され、各地区1、2位以外で、3地区の3位以下のチームで勝率の高い2チームがCSに出場できるワイルドカードは西地区3位の名古屋ダイヤモンドドルフィンズと同4位の広島が獲得し、西地区が独占した。

広島のカイ・ソット。広島が千葉Jにかつ可能性は十分にある(共同)

 広島はCS初戦、東地区1位の千葉ジェッツと対戦する。西地区は厳しい上位争いを展開したため、各チームのレベルがぐっと上がった。力のあるチームとの対戦では一つのミスが命取りになる。西地区の上位4チームは息の抜けない試合が続き、相手チームの対策を練り、競り合いの経験は十分に積んだ。千葉Jは東地区で53勝7敗と独走したが、千葉J対広島はCS注目のカード。勢いのある広島が勝ち上がることも十分にある。

▽スサマジ、ムード上がる

 さて、スサマジ。FE名古屋との連戦はいいゲームをして締めくくった。FE名古屋は西地区6位ながら、日本人のガードと外国人選手はうまい。1戦目の前半は一進一退の攻防で「ここで負けると、西地区1位がなくなる」とハラハラした。スサマジは4月30日、広島との2戦目で見せた「粘り強く守る」が徹底され、じわじわと相手を苦しめた。

6日のFE名古屋戦、島根のニック・ケイ(左)がゴールを狙う=名古屋市枇杷島スポーツセンター

 バスケットボールのディフェンスで、相手選手を自由に動かせないよう足や体を使って厳しく守っていくと、相手選手は...