島根半島の西端にある出雲大社には父神の大国主(おおくにぬし)様(だいこく様)が、東端の美保神社には息子の事代主(ことしろぬし)様(えびす様)がそれぞれ祀(まつ)られています。この親子の神様を両参りすることで、より良いご縁に恵まれ・結ばれる「えびすだいこく両参り」を知り、松江市と映画『神在月のこども』の美術スタジオが書き下ろす「えびすだいこく両参り」タイアップビジュアルの制作を水面下で進めました。
4月に主演の蒔田彩珠さんと「えびすだいこく両参り」がかない、主人公・カンナの手から完成した美術画をそれぞれ奉納した模様は、各メディアでも大きく報じられました。なんと、出雲大社の公式ホームページでは「デジタル背景美術画 奉納奉告祭」として取り上げていただきました。
決して当たり前ではないこのような特別な出来事が、生まれ故郷から巻き起こっている事に大変な喜びを感じています。本当にありがたいことです。その流れから、本作に登場する「えびすだいこく」と結ばれたご縁にも触れておきます。
大国主役は、昨年の神在月に当コラムでご縁をたどった神谷明さん。そして今回は恵比寿(えびす)役の茶風林(ちゃふうりん)さんとのご縁に焦点を絞ってみます。茶風林さんは松江観光大使でもあり、「ちびまる子ちゃん」のひでじい、永沢くん、「名探偵コナン」の目暮警部、「サザエさん」の磯野波平(2代目)などを演じています。人柄は温かみに包まれ、交わす言葉の節々には、松江へ抱く熱い思いと愛情が満ちあふれています。
「僕にとっての一生に一本の作品に、どうか出演してくださいませんか!」と懇願した事を昨日の事のように覚えています。後から聞いたのですが、アフレコ前に松江市の方から方言を学び、本番に臨まれたというエピソードにも大変感銘を受けました。
より良いご縁に恵まれ・結んでくれた本作の「えびすだいこく」茶風林さん、神谷明さんへ、たんびたんびにはなぁーだども、感謝の気持ちでいっぱいです!! だんだん!!
……………………………
みしま・てっぺい 『神在月のこども』企画・プロデューサー・ロケーション監督。1979年、松江市出身。cretica universalでは映画、漫画、テーマパークなどさまざまなシーンで企画・プロデュースを担当。