【邑南】島根県邑南町阿須那の伝統行事「次(じ)の日祭」で21日、きらびやかで大きな傘鉾(かさぼこ)が4年ぶりに披露された。法被姿の担ぎ手が色鮮やかな短冊をつり下げた傘鉾を引き回した。
祭りは京都の「葵祭」の流れをくみ650年以上続くとされ、地元の賀茂神社の例祭として開催する。新型コロナウイルスの影響で2020年から傘鉾の巡行は中止していた。
巡行では地元の宮の上、大庭、旅迫の3集落が製作した傘鉾3体と、地元の羽須美中学校の生徒が作った一回り小さい1体が登場。各集落の傘鉾は直径4メートル、高さ5メートル、重さ50キロで、1体につき約15人の担ぎ手が付いた。神社前の500メートルの通りを「わっしょい」と声を上げ、傘鉾が倒れないようバランスを取りながら走り回った。
傘鉾の頂点に立てる「シン」にはWBCで日本代表を世界一に導いた大谷翔平選手を模した人形などが登場した。神社の氏子総代長の斉藤真三さん(73)は「やはり傘鉾があってこそ。久しぶりに地域がにぎわい、うれしい」と顔をほころばせた。
(吉野仁士)