新型コロナウイルス禍で1カ月延長となった育児休暇を終え、いざ復職。第1子の育休明けと異なるのは、子が2人となり、病気にかかる確率も2倍となった現実だった。

 勤務中、私物の携帯着信音が鳴ると緊張が走る。画面には「○○保育所」の文字。「またか~…」。ため息が出る。仕事復帰して1カ月、息子の発熱が4日続き、ようやく出勤できた日の朝のこと。担任の先生が電話口で申し訳なさそうに息子の不調を伝えてくれた。久しぶりに開けたパソコンを早々に閉じ、職場を後にする。息子は、発熱こそなかったものの、全身に発疹が出ていた。迎えに行ったその足で小児科を受診。多くの子が1歳ごろまでにかかるとされる「突発性発疹」との診断だった。

 翌日。息子は発疹が落ち着き無事に登所できた。一方、娘は熱が37・1度。せきもあり、だるそうだ。しかし今日は朝8時から取材があり、やむなく2人を保育所へ送り届けた。

 取材を終え、職場で締め切りの迫る原稿に向き合った。早めの昼食を終えて自席に戻った瞬間、着信音。「○○保育所」。思わず、「またあ~~~!?」と叫んだ。今度は娘の担任が恐縮そうに「お熱が38度あります」。やっぱり、調子悪そうだったもんなあ。早めに昼食をとっておいて正解だった。迎えに行ったあと、子ども付き(しかも体調悪い)で自分の昼食を用意する大変さを知っているからだ。

 急いで迎えに行くと、私にも分かるくらい胸の音が「ゼーゼー」言っている。ただ事ではない、と急いで小児科を受診。先生いわく「入院一歩手前」の状態だった。仕事をしている場合ではなかったのだ。ぜんそくの発作ということで、家庭で使える吸入の機器をその場で購入した。ちょうど現金を持ち合わせていてよかった。

 苦しそうに呼吸する娘を抱きながら、思いをめぐらせる。私も幼少期、ぜんそくで吸入を自宅でしていたこと。アレルギー体質が遺伝し、申し訳ないなぁということ。それから、締め切り間近の仕事はいつやるのか。夕食の準備はどうする。息子の迎えは夫に頼めるかな…。仕事に復帰しても、脳内のほとんどは子どもたちのことでいっぱいだった。

 (文化生活部・増田枝里子)

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