教員不足が問題となっている島根県教育委員会が9日、2024年度採用試験の出願状況をまとめ、出願者数が前年度比152人増の1130人、平均倍率は0・5ポイント増の3・6倍だったと発表した。他自治体と重複していた試験日をずらし、併願しやすくしたのが増加要因とみられる。過去最多の317人を採用し、現場の負担軽減を進める。

 出願者の内訳は、小学校341人(採用予定150人)▽中学校288人(90人)▽高校325人(38人)▽特別支援学校47人(25人)▽養護104人(10人)▽栄養21人(1人)-のほか、30年に開催する「島根かみあり国スポ」に向け新設した競技力向上枠が4人(若干名)。採用予定は中学校を5人増やした。

 倍率は栄養の21倍がトップで、養護10・4倍、高校8・6倍と続き、小学校が最も低い2・3倍だった。

 1次試験は7月8日に松江市、東京、大阪、2次試験は8月19~27日に松江市(小学校のみ東京、大阪で受験可能)で実施。例年日曜だった試験日を土曜に変更し、志願者は松江会場が前年度比35人減の724人だった一方、東京は66人増の95人、大阪は121人増の277人となった。

 県内の公立学校では23年度、過去最多の37人の教員欠員が発生。県教委学校企画課の岡田健裕課長は合格後も他自治体や民間へ人材が流れる可能性があるとし「教員が生き生きと働ける魅力的な環境をつくる必要がある」と強調した。

       (清山遼太)