天寺平廃寺の瓦を紹介する柏谷実加学芸主任=出雲市斐川町神庭、荒神谷博物館
天寺平廃寺の瓦を紹介する柏谷実加学芸主任=出雲市斐川町神庭、荒神谷博物館

 【出雲】出雲市斐川町神庭の荒神谷博物館でスポット展「阿宮の古代寺院 天寺平(てんじびら)廃寺」が開かれている。標高約200メートルの山中にある古代寺院「天寺平廃寺」を紹介し、出土した瓦の特徴を伝えている。9月30日まで。

 斐川町阿宮地区の天寺平廃寺は奈良時代から平安時代にかけて建てられ、1986年11月に島根県教育委員会の遺跡分布調査で発見された。屋根の先端部分に当たる軒丸瓦(直径12センチ)や軒平瓦(長さ13センチ)など多くの瓦類が見つかった。

 瓦はハスの花のほか、唐草模様を反転させ描かれている。似た文様を持つ市内外の廃寺の瓦を含めて計20点が並び、他地域と交流があったことをうかがわせる。学芸主任の柏谷実加さん(41)は「身近な町内の歴史を振り返ることができる。ぜひ見に来てほしい」と来場を呼びかけた。

      (藤原康平)