米国の陰りに乗じ、ロシアと中国が挑む「レコンキスタ(失地回復)の時代」。ウクライナ侵略戦争は苛烈な現実を突き付けた。巨大な試練を前に、ドイツは「ツァイテンウェンデ(時代の転換点)」(ショルツ首相)を宣言し、日本と同じく防衛政策の大転換へ踏み出す。西側の「失地回復」とも言える巻き返し。今回から計4回、メルケル前首相の外交・安全保障政策首席補佐官を長く務め、現在はミュンヘン安保会議議長のクリストフ・ホイスゲン氏に、大転換に至る20年の軌跡や課題を聞く。 ―長年、ドイツ外交の最前線でロシアと向き合ってきた。
「メルケル首相と会談するとき、プーチ...