島根スサノオマジックの勝利に盛り上がる観客席=松江市学園南1丁目、市総合体育館
島根スサノオマジックの勝利に盛り上がる観客席=松江市学園南1丁目、市総合体育館

 「地元紙は、明るい話題を届けんといけん」。既知の読者から〝お〓(口ヘンに七)り〟を頂いた。確かにこの1カ月、地域社会や経済にとって決して明るくはないニュースが続く。

 暮らしの繁栄の象徴だった一畑百貨店(松江市)の閉店発表に、地方と地方を空路で直接結ぶ新時代の到来を実感させたフジドリームエアラインズ(FDA)の出雲-静岡、仙台便の運休。これは天の差配で、どうしようもないとはいえ、先週末は、線状降水帯の発生に伴う「暴れ梅雨」が猛威を振るった。

 いずれも重大な事柄だけに、紙面での扱いは必然的に重くなる。また暮らしを維持していく事後の対策が鍵になるため、ニュースを扱う期間も相対的に長くなる。

 一方、快哉(かいさい)を叫びたくなる地域への投資もある。松江市が、バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)の島根スサノオマジックのホームアリーナである、市総合体育館の大規模改修を決断した。課題だった5千席確保にめどが立ち、2026年に発足する新たなトップリーグ「新B1」参入へ期待が広がる。地方に住んでいても最高峰のスポーツリーグに関われることは、子どもたちにとって目標になる。

 ドイツの詩人・シラー(1759~1805年)の言葉とされる『友情は喜びを二倍にし、悲しみを半分にする』はあまりに有名だが、「友情」を「メディア」に換えても成立するだろうか。地方に厳しい時代に自問する。(万)