陶器などで物語の一場面を表現する民俗芸術・平田一式飾り(出雲市無形民俗文化財)の競技大会が20日、出雲市平田町の中心部で始まった。11作品が飾り宿と呼ばれる店舗の一角に並び、特選には寺町の「牛若丸と弁慶」が選ばれた。22日まで。
大会は平田一式飾り保存会が主催。各町内や団体がアイデアを練り、皿や花瓶などの陶器を使って一式飾りを仕上げる。21日には飾り宿で御神幸を迎え、家内安全や無病息災を祈る。
寺町は3年連続で特選を受賞した。今回は五条橋で牛若丸が扇子を投げ、武蔵坊弁慶が槍(やり)で防ぐ戦闘シーンを表現。牛若丸は上から針金でつるされており、躍動感のある場面が楽しめる。
準特選には木綿街道振興会の「松江杵築往還・今昔」、ひらた蓬の会の「とどけ!『鳥の歌』」、北本町の「平和への願い」の3作。アイデア賞には茶道具で制作した宮ノ町の「『源氏物語』を構想する紫式部」が選ばれた。
平田一式飾りは江戸時代後期に、表具師が茶道具一式で「大黒天」を作り、平田天満宮に奉納したのが始まりとされる。
(佐野翔一)