野津隆之さん(左)に漁師の生活を聴く生徒たち=島根県隠岐の島町加茂、結 MUSUBI HOUSE
野津隆之さん(左)に漁師の生活を聴く生徒たち=島根県隠岐の島町加茂、結 MUSUBI HOUSE

 【隠岐の島】島根県隠岐の島町に県外の二つの高校の生徒たちが研修旅行に訪れ、生徒たちは徒歩での島内1周や漁師へのインタビューなど思い思いの地域探究に取り組んでいる。

 かえつ有明高校(東京都)の1年生24人は、21日から4日間の日程で、町内3カ所の古民家ゲストハウスを拠点に研修する。同校は同町と長崎県五島市、愛媛県宇和島市の3市町を旅行先に選び、生徒の発案で地域課題を探っている。

 22日は同町加茂で遊漁船と一本釣り漁を営む野津隆之さん(56)に生徒2人がインタビューした。

 生徒は「一番大変なことは何か」と質問。野津さんは「最近のように、しけが多くて漁に出られないのが一番こたえる」と答え、釣れる魚種や流通ルート、一人前になるまでの苦労話も明かした。

 インタビューした平井優輝さん(16)は「気温の変化で狙っている魚が取れないことが分かった」とし、現状をまとめて発表するという。

 このほか、同校生徒は2日間かけて徒歩で島内1周をしたり、神社で宮司にインタビューをしたりした。

 同日は奈良県十津川村の十津川高校2年の20人も町内入りした。同校を開学した同町中村出身の中沼了三(1816~96年)の生家跡で歴史などを学び、地元の人と交流する。隠岐諸島には盛んな水産業や離島特有の自然に触れることができ、研修に訪れる中学、高校が増えている。

(鎌田剛)