躍動感のあるステップと舞を披露するウクライナ国立民族舞踊団の団員=米子市末広町、米子コンベンションセンター
躍動感のあるステップと舞を披露するウクライナ国立民族舞踊団の団員=米子市末広町、米子コンベンションセンター

 【米子】ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナの首都キーウに拠点を置く「ウクライナ国立民族舞踊団」の米子公演が27日夜、米子市末広町の米子コンベンションセンターであった。色鮮やかな民族衣装に身を包んだ約50人の団員が躍動感のある舞とステップを披露し、千人の観客を魅了した。

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 舞踊団は昨年2月の侵攻開始後、練習や公演の中断を余儀なくされてきた。来日公演は20年ぶりで、ウクライナの文化と精神を伝えようと全国31カ所を巡演。せりふはなく、音楽に合わせて華麗な伝統舞踊や軽快なコサックダンスを踊り、会場を何度も沸かせた。

 約2時間の公演終盤、ウクライナの国花・ヒマワリの絵の前で団員が国旗を掲げると観客から大きな拍手が送られた。クラシックバレエ経験がある同市目久美町の大学生、遠藤麻由美(あゆみ)さん(19)は「動きの美しさに圧倒された。美しい表現は国や言葉を超えて伝わるんだと実感した」と感激した様子だった。

 8月上旬まで全国公演を続けるビクトル・サバドスキー団長(61)は「団員の家族や親戚の半数は海外に避難し、半数は戦火の下で生活している。軍に従事する親兄弟もいる。少しでも多くの人にウクライナの美しい文化と今の状況を知っていただきたい」と話した。(井上誉文)