鳥取砂丘の中心的な観光商業施設の一つとなっていた「砂丘フレンド」(鳥取市福部町湯山)が5月末で閉店した。新型コロナウイルスの影響で観光客が激減し、今後も回復は難しいと判断した。
砂丘フレンドは鳥取砂丘の東側にあり、土産物の販売コーナーやレストランを備えた施設。広い駐車場もあり、観光シーズンには県外から団体客などが訪れ、砂丘観光を楽しむ拠点になっていた。
ただ、新型コロナウイルスの感染拡大で、売り上げの半分を占める関西圏などからのツアー客が減少。旅行したと言いにくい風潮があるためか、土産物を買い求める客も減っていた。必要経費がかさむ中、期待した春の大型連休も思うように客足が伸びず、観光需要が回復する見通しが立たないことから、5月末での閉店を決めた。
経営するサンドヒルズ商事の山根弘司社長は「業績不振の壁を乗り越えられなかった。来店を予定していたお客さまには大変申し訳ない」と話した。会社の経営は継続する。
施設の入り口には閉店を知らせる紙が張り出された。情報を聞いて駆け付けた取引業者の関係者は「急な閉店で驚いた。土産物店はどこも売り上げが減っていると聞く。閉店する店が他にも出てこないか心配」と案じた。 (福間崇広)