激辛ブームの火付け役となった湖池屋のヒット商品に「カラムーチョ」がある。「辛い」のカラとスペイン語で「もっと」を意味するムーチョを組み合わせた造語だ。遊び心あふれるネーミングで市場を引っ張るとの思いがあるという。
こちらのスペイン語にも深い意味が込められている。Jリーグ人気の火付け役となった横浜F・マリノスである。スペイン語で「船乗り」を指すマリノスには港町・横浜から世界を目指すとの決意がにじむ。
リーグ創設から参画する名門が揺れている。親会社の日産自動車による身売り騒動が浮上。日産は「筆頭株主であり続ける」と否定したが、サポーターらへの影響は計り知れない。
ANA総合研究所が公表したリポート『Jリーグは誰のものか』はリーグの課題を喝破している。創設はスポーツ文化の醸成に大きく寄与したとする一方、チーム名に企業名が出せない親会社の資金で運営され、ビジネスとして成り立っていないと指摘。親会社の支えがある間に入場料と放送権収入の拡大が急務と説く。そういえば、経営難で解散した「FC神楽しまね」も同じ課題に直面していた。
経営はさておき、降格経験がない横浜MがJ1残留争いの渦中にいる。日産自動車サッカー部として1972年以降、数々のタイトルを獲得した伝統を守り、身売り騒動を吹き飛ばせるかどうか。プロである以上、白星が一番の薬になる。(玉)













