ガラス工芸作家の舩木(ふなき)倭帆(しずほ)が、2013年11月に亡くなってから今年で10年を迎える。心臓疾患を抱えながら過酷な作業を進められていたと聞く。体を労わる時間もなく、まさに命と引き換えに、ガラス作りに精魂込められた人生であった。

 舩木倭帆は1935年、松江市玉湯町布志名...