「VIVANT」島根ロケに迫る(2)

 TBS系日曜劇場「VIVANT」(毎週日曜午後9時)の第5話が13日に放送され、ついに堺雅人さん演じる主人公・乃木憂助のルーツに迫るシーンが登場した。乃木家のモデルになったのが、島根県奥出雲町で製鉄業を営んできた「櫻井家」。
 島根ロケに迫るシリーズ前回の記事では「櫻井家住宅」(島根県奥出雲町上阿井)についての歴史などを紹介したが、今回は放送を振り返りつつ、ロケ当時の様子やドラマについて櫻井家第14代当主・誠己(しげき)さんと妻・紀子さんに聞いた。(Sデジ編集部・鹿島波子)


【関連・写真特集】ドラマ「VIVANT」島根ロケの裏側 櫻井家住宅とロケ当日のオフショット(奥出雲町編)

【「VIVANT」島根ロケに迫る(1)】ドラマ「VIVANT」主人公・乃木のルーツに迫る島根ロケ インタビューでも話題 櫻井家住宅がカギ(Sデジオリジナル記事)
 

▽ドラマのシーンと実際の櫻井家とのつながり


 まずは13日の放送を振り返りたい。

 乃木憂助の過去に疑問を持った警視庁公安部の野崎守(阿部寛)は、憂助の過去を再調査する中で、父・乃木卓(すぐる)が島根県奥出雲町出身であることを知る。野崎は奥出雲町の乃木の実家を訪ね、憂助の伯父・乃木寛道(井上順)に話を聞く。憂助が高校時代、そして3年前にも一度実家を訪れていたことを知り、憂助の本当の目的を察する・・・というシーンが描かれた。

野崎守(阿部寛)が乃木憂助のルーツを探るべく、乃木家実家を訪れ、憂助の伯父(井上順)に話を聞くシーン(©TBS)

 

乃木家の実家のシーンで主に使用された、櫻井家住宅の「上の間」=8月、島根県奥出雲町上阿井

 ドラマでは、島根県奥出雲町が「たたら製鉄」で栄えた町であること、乃木家が「たたら製鉄の御三家の一つ」と紹介された。櫻井家も同じく、田部(たなべ)家・絲原(いとはら)家とで奥出雲地域をたたら製鉄で支えた御三家の一つであり、重なる点も見受けられた。

乃木実家に向かう途中のシーンに使われた「大原新田」=8月、島根県奥出雲町大馬木

 

▽ロケ地決定までの経緯


 ロケの様子を櫻井家の当主ご夫妻に聞いた。

 福澤克雄監督は、2004年の「砂の器」ロケ以来、奥出雲町を気に入り...