中小企業の生産性向上の必要性が訴えられて久しい。

 特に、2013年、第2次安倍政権で始まった製造業の「ものづくり補助金」は生産性向上のために継続して実施されている。

 しかし、生産性において日本より秀でているドイツの状況とは大きな違いがある。それは日本の打ち手が企業の設備を刷新するだけの「部分最適」に終始している点だ。一方、ドイツはサプライチェーン(供給網)全体の生産性向上、さらには二酸化炭素(CO2)の排出基準で、製造業の世界標準を握ろうという国家戦略まで見据えている。

 ドイツは11年ごろから学識者らが中心となって、...