【浜田】浜田市金城町小国出身の劇作家・島村抱月(1871~1918年)の生誕150年を記念して、抱月の生涯を伝える企画展が同町波佐の市金城歴史民俗資料館で開かれている。貧しくても勉学に励んだ幼少期を中心に分かりやすく紹介する。来年1月30日まで。
日本近代演劇の祖とされる抱月は「芸術座」を主宰して全国各地で公演し、文芸評論家や小説家としても活躍した。会場には抱月の生涯や出生地を紹介したパネルや、芸術座の公演地を示した日本地図など60点が公開されている。
展示では、祖父や父が営んだたたら製鉄の衰退で貧しい幼少期を過ごしながら父と親しい医師・桑田俊策に読み書きを習った逸話を紹介。抱月が18歳の時に当時、働いていた松江始審裁判所浜田支庁の判事・島村文耕に勉学の才を見いだされ、東京専門学校(現・早稲田大)への進学援助を受けた足跡を解説している。
隅田正三館長(79)は「いろいろな人の支えがあって抱月は全国で活躍できた。その苦労や努力を多くの人に知ってほしい」と話した。
原則土曜日と日曜日の午前9時から午後5時まで開館。入館料は大人300円、中学生100円、小学生60円。(宮廻裕樹)