出雲市湖陵町差海の佐志武(さしむ)神社の例大祭が21、22の両日あり、4年ぶりに高さ最大6メートルの伝統飾り「神事華(じんじばな)」が奉納され、境内を彩った。
五穀豊穣(ほうじょう)を願う神事華は400年以上前から伝わるとされる。細く割った青竹を束ねてドーム形に垂らし、花に見立てた金や赤、緑などの色紙千枚以上で装飾。直径は約7メートルあり、重さは200キロ。新型コロナウイルスの影響で2019年秋を最後に、奉納が見送られていた。
今年は5色の折り花で彩られたメインの「区の華」を差海の地下地区が担当。住民有志と子どもが制作した華と合わせて、計3基が奉納された。
最終日の22日、神社の境内で男衆が祝い歌を歌いながら神事華の下で踊りを披露した。途中、男衆の一人が華のてっぺんに登って餅や菓子をまき、詰めかけた住民が競うように取り合い、にぎわった。
4年ぶりに参加した地下地区の漁業、中尾充博さん(50)は「久しぶりで難しさもあったが、神事華を奉納できてうれしい」と充実感を漂わせていた。
(佐野卓矢)