県都の秋を彩る伝統行事「松江祭鼕(どう)行列」が15日、松江市中心部であった。14町内・2団体の約1600人がそろいの法被で「鼕」と呼ばれる大太鼓を打ち鳴らし、勇壮な音色を城下町に響かせた。
鼕行列は、直径1・2~1・8メートルの鼕を載せ、ちょうちんなどで飾り付けた山車「鼕宮」が県庁前(松江市殿町)を出発。約2キロ離れた白潟天満宮(同市天神町)まで笛とチャンガラの軽快なはやしや「チョーサヤ、チョーサ」のかけ声に合わせ、踊るように威勢よく鼕をたたきながら練り歩いた。
道中は、松江大橋など5カ所で演舞があり、多くの市民や観光客が熱演に見入った。息の合った力強いばちさばきに大きな拍手を送り、写真や動画に収め、秋の風物詩を満喫した。
初めて見た出雲市斐川町直江の会社員、塩月邦洋さん(46)は「山車によって調子が違い、町ごとの歴史の深みが感じられ、聞き応えがあった。観客との一体感もあってよかった」と話した。(山口春絵)