TBS系テレビドラマ「VIVANT(ヴィヴァン)」のロケ地となった島根県奥出雲町の櫻井家住宅は、放映された8月以降にぎわった。来訪者は専ら車移動。最寄りのJR木次線出雲三成駅から車で20分かかり、バスも1日数本の現状ではやむを得まい。奈良県香芝市から車で来た自営業の津田家宏さん(71)も「車じゃないと無理だね」とこぼした。

 各駅から周辺観光地までアクセスを整え足を運んでもらう周遊観光。その構築が沿線自治体やJR西日本にとって急務となっている。25年間、木次線を走る名物のトロッコ列車「奥出雲おろち号」が11月、車両の老朽化で運行を終えるからだ。

 

 おろち号は車窓から眺める四季折々の風景や沿線住民との交流、広島県境付近での3段式スイッチバックなど見どころが多い。乗車自体が魅力で...