島根県美郷町と非鉄金属大手の古河電気工業(東京都)が25日、大型ドローンを使って災害救援物資を運ぶ実証実験をした。ドローンが重さ12キロの飲料水入りの箱をつり下げ、町防災公園(美郷町久保)と吾郷公民館(同町簗瀬)の間約6キロを自動航行で往復。町はドローン操縦者を育成するとともに輸送ルートを確保し、江の川の氾濫などに備える。
町と同社は2021年度から植林用の苗木や資材を大型ドローンで運ぶ林業省力化の実証実験に取り組んいる。今回は、防災用途への活用が狙い。
ドローンは、古河電工のグループ会社などが共同で開発した直径2・8メートルの機体。最大重さ49キロの荷物を運べる。片道約6キロの飛行距離はこれまでの実験で最も長いという。
町防災公園を飛び立ったドローンは、落下しても人的被害が出る恐れが少ない江の川上空を中心に、あらかじめ設定した高度100~130メートルのルートを自動航行。離陸から10分半後に吾郷公民館前広場に着陸した。関係者が飲料水に問題がないのを確認し、バッテリーを交換して町防災公園へ戻った。トラブルはなかった。町美郷バレー課の下垣真太郎主任は「災害時に大型ドローンで町民を支援したいと考えている」と話した。(佐伯学)