地元漁船団の事業停止を受けた浜田漁港の水揚げ確保対策で、浜田市が11日、同漁港で水揚げした巻き網漁船団に補助金を出す「入港奨励金」を始めると発表した。水揚げ(入港)1回につき、10万円を上限に水揚げ額の2%を補助する内容で、地元外船団の入港を促す。
浜田市の地元巻き網漁船2船団のうち、1船団が海難事故に遭い事業を停止。浜田の水産業は仲買や水産加工、流通など裾野が広く、魚不足の影響が懸念されている。
対象は地元外の巻き網船団で、主に鳥取、長崎、愛媛3県の大中型船団や島根県隠岐郡の中型船団を想定。2020年実績で、巻き網漁船の水揚げ量に占める地元外船の割合は約7割となっている。
期間は7月から来年3月までで、この間に延べ約200回の入港を見込み、計1530万円の予算案を組んだ。18日に始まる市議会6月定例会議に提出する。
入港を促す同様の奨励金は、鹿児島県指宿市(入港1回につき水揚げ額の0・5%補助)や静岡県御前崎市(水揚げ量1キロにつき30円補助)で実施例がある。
浜田市産業経済部の佐々木規雄部長は「浜田漁港の水揚げは影響が大きい。奨励金を水揚げ量の確保につなげたい」と話した。
浜田漁港の20年の水揚げ量は過去最少の9657トンに落ち込み、厳しい状況が続く。このうち巻き網漁船団の水揚げ量は6割強を占めている。 (勝部浩文)