出雲空港に到着した「ミャクミャクJET」=28日午後、出雲市斐川町沖洲
出雲空港に到着した「ミャクミャクJET」=28日午後、出雲市斐川町沖洲
「ミャクミャクJET」のお披露目会であいさつする大阪府の吉村洋文知事=28日午前、伊丹空港
「ミャクミャクJET」のお披露目会であいさつする大阪府の吉村洋文知事=28日午前、伊丹空港
出雲空港に到着した「ミャクミャクJET」=28日午後、出雲市斐川町沖洲
「ミャクミャクJET」のお披露目会であいさつする大阪府の吉村洋文知事=28日午前、伊丹空港

 赤い円形が輪のように連なる細胞をイメージしたロゴマークに「清い水」を表す青色の体。奇抜なデザインだけにネット上では「不気味」「怖い」といった反応も多いが、とにかく目を引く。2025年大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」だ。

 これを機体に描いた日本航空(JAL)の特別塗装機「ミャクミャクJET」の運航がおととい始まった。第1便が伊丹空港から到着した出雲空港では、多くの航空ファンがカメラを構えた。鮮やかな機体はやはり目立つ。

 ところが、肝心な万博自体が悪目立ちしている。海外パビリオンの建設遅れが解消されない上、資材費や人件費の高騰で、当初1250億円とされた会場整備費が2350億円に膨張。これとは別に政府が出展する「日本館」建設などで、約837億円の国費負担が生じることも明らかになった。そのツケは税金として国民に回る。

 先週のプロ野球阪神とオリックスの合同優勝パレードでは、大阪府などでつくる実行委員会が「万博500日前!」と副題に付けたことに、野球ファンから「政治利用」などと批判が続出。まるでサンドバッグ状態だ。

 万博開幕まで、きょうで残り500日。JALが「空飛ぶクルマ」を発表するなど、本来は未来社会のデザインを描くのが狙い。開催するなら、ミャクミャクの名の由来通り、技術が後世に脈々と流れる転機にしないと意味がない。(健)