川本の山城を守り活かす会が作った御城印
川本の山城を守り活かす会が作った御城印

 島根県川本町の「川本の山城を守り活かす会」(森口正和代表)が、川本を拠点に権勢を振るった中世の武家・石見小笠原氏ゆかりの山城跡、温湯(ぬくゆ)城跡(川本町川本)と、飯ノ山城跡(同町谷戸)の御城印を作った。山城ファンらに町の歴史をアピールする。

 温湯城は南北朝時代の1350年、石見小笠原氏の4代長氏(ながうじ)が築いた。戦国時代の1559年に毛利元就に攻められ落城するまで、石見小笠原氏の居城だった。

 飯ノ山城は仙岩寺城、青岩城とも呼ばれる。元就の温湯城攻撃の際、石見小笠原氏に加勢するため、戦国大名・尼子晴久が来たと言われる。

 御城印は縦16センチ、横10センチで、石見小笠氏の家紋・三階菱(さんがいびし)や虹が架かった城跡の写真、武士の絵を載せた。各城跡でデザイン違いの3種類がある。

 1枚300円で、道の駅インフォメーションセンターかわもと(同町因原)で販売している。収益は城跡の環境保全など同会の活動費に充てる。

 川本の山城を守り活かす会は、町内の歴史に光を当てて地域を盛り上げようと、2022年9月に町民有志で発足。23年5月に初めて石見小笠原氏最後の居城で県西部唯一の総石垣造りの丸山城跡(同町三原)の御城印を作った。三宅幸恵事務局長(64)は「戦国時代の川本に思いをはせてほしい」と話した。(佐伯学)