松江市内の和菓子工場で新年を祝う伝統の和菓子「花びら餅」の生産が最盛期を迎えた。
花びら餅は平安時代、健康と長寿を願う新年行事で出された和菓子のひし餅が起源で、京都市内の老舗和菓子店が明治時代に作り始めたとされる。松江でも正月のお茶請けや茶道の初釜式の菓子として親しまれている。
松江市矢田町、和菓子店・風流堂の本社工場では26日、年末までの発送に間に合うよう、職人たちが手作業で紅白に重ねた餅にゴボウと自家製のみそあんを一つ一つ丁寧にくるんでいた。
11月下旬から作業を始め、約2万個を作るという。内藤葉子代表取締役(56)は「新春ならではのお菓子。奥ゆかしい上品な味を味わってもらいたい」と話した。(高見維吹)