新年早々、2日続きでテレビ映像にくぎ付けになった。石川県能登地方を襲った最大震度7の地震と、翌日の東京・羽田空港での衝突炎上事故だ。2011年の東日本大震災で起きた福島第1原発事故での教訓は「あり得ることは起きる。あり得ないと思うことも起きる」だったが、本当に何が起きるか分からない▼地震や津波などの自然災害は時を選ばない。よりによって元日の夕方に起きた地震は今日で発生から4日目。多くの犠牲者が報告され、家屋の倒壊や大規模火災、津波被害も出た。被災地では、なお地震が続く中、懸命の捜索・救出作業が続いている▼羽田空港での事故は、札幌からの日本航空機が着陸した直後に海上保安庁の航空機と衝突した。幸い日航機の乗員・乗客379人は全員脱出したが、海上保安庁機の乗員6人のうち5人が亡くなった。水や食料などを被災地に運ぶ予定だっただけに、悲劇が重なる形になった▼道路が寸断された被災地では、避難所に身を寄せた人たちへの支援物資が十分に届いていないという。それだけに政府や自治体には羽田空港での事故原因を含めて、今回の地震で浮かび上がった課題を検証し、今後の対応に生かしてもらいたい▼教訓を共有し、一つ一つ改善していくことが、一人でも多くの住民の命を救うことにつながるはずだ。地震国で暮らしている以上、災害から学ぶ姿勢を忘れてはいけない。(己)