日が暮れるのが本当に早くなった。個人的に一年で一番日が短い「冬至」が待ち遠しい。今年は12月22日。以後は少しずつ日が長くなると思うと救われる気さえする。
日が短いと慌ただしく、冷たい空気も手伝って、なんとなく心細く感じる。こうした冬場の不安定な状態を1984年、米国の精神科医が「季節性感情障害(冬季うつ)」と命名し論文で発表した。過眠や過食、何事にもおっくうになるといった症状で、春になると回復するという季節性がある。
冬の日照時間が短い北欧に目立ち、日本では日本海側の地域に症状を訴える人が多いとする調査結果がある。予防には適度な運動と積極的に日光を浴びることが必要だ。
医学的な根拠はないが、予防策になるのでは、と思う師走の心の有り様が、作家の幸田文さんのエッセー『くくる』にある。家計簿をまめに付ける老女が、今年は毎月お汁粉が食べられたと喜んでいた。自分で作ったものや甘味処(かんみどころ)で食べたものは勘定せず、よその家で振る舞われたものが、ならして月に1回あったという。「馳走(ちそう)された仕合せを一年間で集計して、ちゃんと数量に出して喜んでいるのには、心うたれた」と幸田さんは記した。
省みれば、人の善意も贈り物も、その時々のお礼の言葉だけで通過させていた。喜びやありがたさを記録し、振り返ることは、慌ただしく不安定になりがちな12月の心の滋養になりそうだ。(衣)













