使い古した竹ぼうきに火を入れる庭師=安来市古川町、足立美術館
使い古した竹ぼうきに火を入れる庭師=安来市古川町、足立美術館

 安来市古川町の足立美術館で10日、ほうき供養があった。呼び物の日本庭園の手入れは竹ぼうきを一日1本の割合で使い古すほど気を配っており、専属庭師5人が感謝の気持ちを込め、古くなった竹ぼうきを焼いた。

 日本庭園は周囲の山々を借景にした造形美が高く評価され、米国の専門誌のランキングで2023年まで21年連続の日本一に選ばれている。庭師のほか毎朝、開館前には職員総出で清掃して維持管理に努める。

 竹ぼうきは主庭「枯山水庭(かれさんすいてい)」の砂に波をイメージした目を入れるのにも欠かせず、年に360本ほど使い古す。竹ぼうきは年2回に分けて焼き、正月は門松のとんど焼きに合わせて、ほうき供養を営む。

 とんど焼きの火を取って積んだ竹ぼうきに火を付け約200本を次々投じた。一番若い庭師の山本裕介さん(23)は「最初に覚える仕事が掃除。はき方一つ一つにこつがあり、竹ぼうきはパートナーだ」と話し、意欲を新たにした。

 (桝井映志)