14日に閉店する一畑百貨店(松江市朝日町)の12月の売上高が前年同月比34・1%増の6億3600万円となり、4年ぶりに6億円台を記録した。閉店セールによる集客効果に加え、「ペルシャ絨毯(じゅうたん)の一畑」と呼ばれ、高額商品に強みがある同店のなじみ客の購入などで貴金属や宝飾品が前年同月の4倍超、美術品が2倍超を売り上げ、全体を押し上げた。
同店は10月に閉店セールを開始。12月は割引率を上げ、3~5割引の商品を取りそろえたため、来店客が25%増の計12万3千人となり、売上高が伸長した。
商品別では、貴金属・宝飾品が369%増の4230万円。なじみ客らに450万円の絨毯や300万円の金貨が売れた。絵画などの美術品も129%増の2420万円だった。
閉店に伴い商品ラインアップが減った歳暮品が不調で、化粧品は二つのテナントが撤退したことなどで伸び悩んだ。
1月(9日現在)は、前年同期比3倍近い売上高2億4600万円となっている。一畑百貨店の井上智弘専務は「撤退テナントなどがあったが、残った従業員が踏ん張ってくれた。閉店までしっかり接客したい」と話した。 (多賀芳文)