島根県内で唯一のデパートとして長年親しまれてきた一畑百貨店が14日、最後の営業日を迎えた。一日の様子をドキュメントで追う。
▼閉店セレモニーの様子
8:45 最後の営業日を迎えた一畑百貨店。今のところ行列はできていない。

9:20 始業前に従業員とテナントスタッフが玄関前で記念撮影。「入って入って。最後だから」
9:35 家族で訪れ開店前から待っていた安来市黒井田町の60代女性「最後の勇姿を見に来た。島根から百貨店がなくなると思うと寂しい」
9:45 始業前の全体朝礼で錦織社長「閉店までご一緒に働いていただき感謝している。千秋楽の幕が上がります。皆さんそれぞれのステージで最高のおもてなしをしていただきたい」と従業員を鼓舞。それぞれが持ち場に散らばった。
9:50 10時の開店を直前に、入り口前には来店客が並ぶ

10:00 「一畑百貨店開店でございます。お待たせいたしました」

10:00 地下1階のスイーツプラザは前日までに菓子を売り尽くした。空っぽの回転台を前に店員が清々しい顔で来店客に会釈する。「今日は売り物は何も無い。お客さんとの思い出話を楽しみます」

10:30 地下1階に設けられたメッセージボードに来店客が感謝の思いをつづった。「もう一度カムバック。待ってます」
10:45 2階フロアハンドバック店。5割から7割引き。女性店員「ほんとにほんとに最後ですよ。一点もの持って行ってくださいよー」

11:00 1958年のオープンからの歴史を振り返る1階のパネルコーナーでは、来店客が足を止め資料写真や記事に目を通していた。松江市東出雲町揖屋から訪れた会社員の野口慎司さん(49)は「幼少期に殿町のビルに行った思い出が蘇ってきた。百貨店は松江の象徴的な存在だった」と懐かしんだ。

11:30 6階の奥出雲そば一福は早くも満席。約20人が待ちの列を作った。夫婦で訪れた松江市内の男性(51)は「一畑に来たならここには寄らないとね」と苦笑い混じりに並ぶ

11:30 昼時を前に地下1階の北海道フェアに人が詰めかける。山盛りのざんぎを前に女性店員の威勢のいい声が響く「どうぞどうぞ、食べていってくださいよ」
