14日に閉店する島根県唯一のデパート「一畑百貨店」(松江市朝日町)にある「回転菓子台」。地下食品コーナーの一角に設置され、メリーゴーランドのように色とりどりのあめやチョコレート、ビスケットなどが回る人気スポットだ。長年にわたり、子どもからお年寄りまで来店客の心をつかんできた菓子台の誕生秘話や、閉店後の行方を関係者に聞いた。
(政経部・多賀芳文)

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回る販売台、着想は「フランス」


 閉店を間近に控えた一畑百貨店「デパ地下」のスイートプラザ。2基設置された菓子台の周りには親子連れがかごを片手に、お気に入りの商品を品定めしていた。子連れで訪れた松江市内の会社員女性(32)は「私が子どもの頃から通っていた大切な場所。最後に家族で来たかった」と名残惜しそうに話した。

 回転菓子台は主に全国の百貨店で稼働し、半世紀の歴史がある。スイートプラザを運営する松風屋(本店・名古屋市)によると、先代の近藤琢三会長が1958年ごろに赴いたフランスのスーパーで、円形のアイスクリーム販売台を見かけたことで着想を得た。...