高校で「社会と情報」を学ぶ生徒。2022年度からは難易度の高い「情報1」が必修となる=松江市内
高校で「社会と情報」を学ぶ生徒。2022年度からは難易度の高い「情報1」が必修となる=松江市内

 2022年度に高校で必修科目となり、25年以降の大学入学共通テストで出題が検討される「情報I」について、島根県内の生徒に十分な授業を受けさせることができるか、懸念が浮上している。県内では情報の免許を持つ教員がそもそも少ない上、必修化に伴いプログラミングを扱うなど高い難易度に変わるためだ。県教育委員会が担当教員の技能向上と負担軽減に向けた対策を検討している。

 03年度に導入した情報の授業は現在「社会と情報」「情報と科学」のどちらかを選択。県内ではほとんどの生徒が社会と情報を履修している。

 情報Iへの移行により大きく変わるのがその難易度。社会と情報ではエクセルを使った表の作成方法の習得などが中心なのに対し、情報1ではプログラミングやデータ活用の手法を学ぶ。文部科学省によると、大学共通テストではニュース記事や研究論文で使われたデータのグラフ化や、さまざまなプログラミング言語の知識を問う問題が出題されるという。

 高難度の受験問題に対応するには授業時間の上積みが必要だが、情報は1年間に週2コマ程度を学ぶ2単位のため、ほとんどの教員が他教科の授業と掛け持つ。県内で情報の免許を持つ教員は4月時点で79人で全体の3・8%。免許を持たない教員が特例で教える「免許外教科担任」を含めても計83人しかおらず、マンパワー不足は否めない。

 こうした状況を踏まえ、県教委は情報を教える教員のスキルアップに向けた研修会の開催や、授業のポイントを解説する教材開発を検討。情報の担当教員が掛け持ちする他教科の授業数を減らすといった職場内での工夫も求める。県教委教育指導課の木原和典課長は「現場への情報提供や指導体制の見直しも視野に、状況をしっかりと見極めながら取り組んでいきたい」と話している。
     (佐々木一全)