中国電力島根原発(松江市鹿島町片句)の安全対策工事を巡り、昨年12月に発生した協力会社社員の死亡事故と類似性のある工事が順次再開したことが23日、中電への取材で分かった。事故現場の工事は再発防止策が確定しておらず、再開の見通しは立っていない。
中電島根原子力本部によると、再開したのは重量物が高所から落下する可能性がある工事。中電と協力会社の両者が危険性を再点検し、必要な安全対策を確認した上で10日以降に順次再開したという。
死亡事故が起きた工事は、松江労働基準監督署が事件性を含めて調査を続けており、再開していない。中電社内で既に原因と対策を講じる一方、労基署への報告などが済んでいないという。受理され、確定した対策を現場に反映させた上で再開を目指す。
同原発では、昨年12月21日に2号機の廃棄物処理施設で、基礎を強化する安全対策工事をしていた協力会社社員の男性が落下したコンクリート塊の下敷きとなり、死亡する事故が発生。構内の工事が一斉に停止し、同27日に類似の工事を除いて再開した。
中電は島根2号機の8月の再稼働を目指しており、5月の工事完了予定としている。
(高見維吹)