記念グッズを受け取る来場者(左)=益田市高津4丁目、大井競馬場益田場外発売所
記念グッズを受け取る来場者(左)=益田市高津4丁目、大井競馬場益田場外発売所

 大井競馬場益田場外発売所(益田市高津4丁目)が26日で発売業務を終了する。25日は長年通い詰めた競馬ファンへの感謝の気持ちを込めて、来場者に記念品が配られた。かつて「日本一小さな競馬場」として知られた益田競馬場、さらにはその跡地にある場外馬券売り場の廃止に、地元住民からは「益田から競馬の灯が消える」と惜しむ声が聞かれた。

 25日は150人が来場。益田市出身の御神本訓史騎手が提供した帽子などが当たるくじ引きがあり、大井競馬場(東京都品川区勝島)のロゴ入りノートが全員に配られた。馬券売り場がなくなるためインターネット投票の加入手続きの案内コーナーなども設けた。

 競馬ファンらは、競馬専門紙を片手に、仲間と集まって予想しながら、モニターでレースを見て一喜一憂。7年ほど通う益田市飯田町の大庭則道さん(75)は、父に連れられて益田競馬場に行った思い出も振り返りながら「ここで仲間と騒ぐのが楽しみだった。時代の流れもありしょうがないが、残念だ」と話した。

 26日も記念グッズの配布があり、最終レース後の午後5時半ごろに営業を終了する。勝ち券の払い戻しは3月26日まで受け付ける。

 場外発売所は、経営難で2002年に廃止となった益田競馬場の特別観覧席棟3階部分を使い、03年から地方競馬場の馬券を販売。特別区競馬組合(東京シティ競馬、東京都)から委託を受け、第三セクターの益田市総合サービスが運営したものの、インターネット購入の浸透などで競馬関連事業の赤字が続き、事業撤退を申し出た。市は跡地の利活用については「検討中」としている。(藤本ちあき)