若者による市販薬や処方薬の過剰摂取(オーバードーズ)が山陰両県で後を絶たない。SNS(交流サイト)などで薬の摂取に関する情報が多いことが背景にある。国は販売面の防止策を強化している。関係者は身近な大人が気づき、声をかける重要性を説く。

 「病院の薬だけでは、不安が消えなかった」。島根県東部在住の30代女性は、転職を繰り返した20代前半の頃、どうしようもない不安感を落ち着けるため、市販薬を過剰摂取した。薬を一気に50錠飲み、救急搬送されたこともある。

 「しちゃいけないのはわかっている」と思いながらも、身近に相談できる相手がいなかった。...