「出雲国風土記」が伝える「国引き神話」によれば、出雲の国土は八束水臣津野命(やつかみずおみずぬのみこと)が海の向こうから綱で大地を引っ張り、既存の土地につなげることで広がった。なんともスケールの大きな話だが、神がつくった土地を安全に、暮らしやすく造り替えるのは人の仕事である。

 奥出雲から流れる斐伊川は、かつてはそのまま出雲平野西側の日本海に通じていたが、...