倉吉市中心部から南へ車で約20分の山あいにある人口約3千人の関金地区。昨秋、地区唯一のスーパー「Aコープせきがね店」が閉店した。無人の店内に今も、使われなくなったレジや商品の陳列棚が残る。
人口はピーク時の1955年から半減し、高齢化率は40%を超える過疎地域。「車を持たない高齢者が本当に困っている。生協の宅配サービスで何とか買い物環境を維持している」。地域運営組織「関金地区振興協議会」の事務局を担う関金コミュニティセンターの松井収館長(68)が厳しい実情を口にした。
相次ぐスーパー閉店
鳥取県内で昨年から今年にかけ、せきがね店などJA系スーパーが相次いで閉店。各地で同時多発的に「買い物危機」が起き、地元市町が対応に追われた。
特に深刻なのが中山間地域だ。95年に21・7%だった高齢化率は...