明治期からクロム鉱石を多く産出し、現在も鉱石を選別する選鉱場など関連施設がまとまって残る若松鉱山跡(鳥取県日南町)。今回はかつての操業時の様子を中心に紹介する。

 若松鉱山では1900年ごろに採掘が始まり、1996年に閉山した。鉱山の最盛期である昭和20~40年代ごろは、一帯の多里地域も好景気に沸き、飲食店や旅館、映画館が立ち並び、大相撲の巡業も行われたとされる。
 

昭和50年代の操業中の若松鉱山の風景(鳥取県日南町提供)


 鉱山の作業は多岐にわたった。採掘作業ではハンマーなどで岩盤に穴を開け、...