待合室に置かれたメッセージを紹介する細田浩さん=雲南市木次町里方、JR木次駅
待合室に置かれたメッセージを紹介する細田浩さん=雲南市木次町里方、JR木次駅

 JR西日本木次鉄道部が卒業前の高校生に通学利用を感謝するため、雲南市木次町里方の木次駅に掲示したメッセージが、X(旧ツイッター)で反響を呼んでいる。悪天候やイノシシ出没による度々の運休をわび、駅内にコンビニもない「ガラパゴスのような木次線」と自虐を交ぜ、ユーモラスにつづる。

 木次鉄道部の細田浩さん(61)が内容を考えホワイトボードに書くと、見つけたユーザーが21日に写真とともにXに投稿。27日現在で表示回数(インプレッション)が460万回を超えた。

 メッセージは、まず運休の多さやエアコンがなく夏は暑く冬は寒い待合室をわびた。みどりの窓口の機械化で、〝イケメン駅員〟を見る時間が減って寂しい思いをさせたと重ねてわびた上で、卒業後の飛躍を願い「明るい未来に向かって出発進行!!」と締めくくった。

 手書きの温かい文面で、Xのいいね数は8万件に上る。「泣けた」「ほっこりする」といった感想や、路線の利用低迷を危ぶみ存続を願う投稿もあり、細田さんは思わぬ反響に驚きつつ「多くの人が笑顔になってくれる木次線であり続ける」と決意を新たにした。

 木次駅は島根県奥出雲町から雲南市内や、雲南市から松江市内の高校に通う生徒らが利用する。細田さんは「木次線を忘れず、また乗りに来てほしい」と期待。掲示は3月中旬ごろまでを予定する。メッセージは昨春、初めて掲示し、4月は新入生向けも用意した。(山本泰平)