太平洋戦争末期、日米で激戦となった硫黄島(東京都)に出征した男性が家族に宛てた手紙13通が大田市内に残り、島根大の学生の調査で詳しい内容が分かった。戦地で娘の誕生を知り、喜びが文面から伝わってくるが、まな娘の顔を見ることなく戦死。学生は家族を思う父の優しさに心を打たれるとともに、戦争の記憶を伝える大切さを訴える。
男性は大田市出身の三谷禎二(ていじ)さん。妻・陽子さんと結婚して約半年後の1944年春、召集されて硫黄島に行き45年3月に戦死した。手紙は禎二さんが陽子さんや父親らに宛て、娘の原幸子さん(79)=大田市鳥井町=が保管してきた。原さんは硫黄島の戦いを調べる島根大法文学部4年の若槻穂波さん(22)と、3年の山口愛結(あゆ)さん(21)に、参考にしてほしいと手紙を提供した。...