バスケットボール男子日本代表のトム・ホーバス監督(57)の講演が8日、松江市内であった。昨年のワールドカップ(W杯)で48年ぶりとなる自力での五輪出場権獲得に導いた指揮官は、選手育成やチームづくりについて持論を述べた。2回にわたって講演の詳細を掲載する。
(清山遼太)
【トム・ホーバス監督 講演詳報・下】
・「変化」に適応しないと勝利はない 指導スタイルは「誰も真似ずに」
回りくどい言い方はせず、真っすぐに
プレーヤーの時は、トヨタ自動車(現・アルバルク東京)時代の4年間が、すごく勉強になった。日本の文化、ビジネスマンの考え方などを学ぶ大事な4年間だった。トヨタで少しずつ勉強し、コーチとして指揮を執り始めた女子Wリーグ・ENEOS(エネオス)サンフラワーズの頃から(選手との会話の際に)通訳を介さないほうが良いと考えた。伝わるニュアンスも違ってくるし、監督と選手の間に誰かが入るのは良くない。

仮に日本語を間違えたとしても、それもコミュニケーションの一つ。決して悪いことではなく、恥ずかしいことでもない。間違っても必ずフォローできる。自分は日本人じゃないからこそ、表情もよく見ている。そのことによって、もっと説明した方が良いのかを判断している。米国では母国語の英語を使っていたので、表情をよく見ていなかったが、日本に来てから見るようになった。
いろいろな部分を見るのは大事だし、きれいに説明できないからこそ、直接的な言葉を使っている。ストレートに話せば、ミスコミュニケーションはまず起きない。回りくどい言い方は...