
―インバウンド(訪日客)が回復し、山陰を中心に関西、山陽の観光施設を周遊する、独自のパスを販売できるアプリ「ディスカバーアナザージャパンパス(DAJP)」の利用、販売がともに伸びています。
2月末現在で約8800人のダウンロード数は、1年前の3倍、コロナが5類に移行した直後の2023年6月の2倍以上で、購入数もこの1年で1400枚を超え20倍以上になりました。
台湾、香港、韓国などの国、地域別の利用割合や、施設利用ランキング等が分かるようになっています。
デジタルマーケティングのツールとして観光戦略に役立てたり、オープンソースとして活用してもらったりしたいと考えています。
―25年の大阪関西万博を控え、重要な1年になります。
24年から3カ年計画のアクションプランを作ります。中間年に万博があり、万博後の26年につなぐことが大事だと考えているからです。
「地域の将来像」や基本的な理念、戦略に基づき「磨く」「招く」「もてなす」「土台を造る」という施策方針を掲げ、滞在コンテンツの開発や充実、受け入れ環境整備や観光人材育成などを展開していきます。

―団体旅行から個人旅行(FIT)へ、旅行形態の大きな変化が起きています。
FIT層にどうアプローチをしていくかは課題です。
海外の旅行会社に売り込めばよかったものが、商品も地域でつくってマネタイズ化していかなくてはなりません。
また、山陰の認知度を上げるには、アクションプランの「磨く」という部分で「ブランドの確立」があります。
特にエリア別やテーマ別の軸を持ったコンテンツを流通に乗せるということを関係機関と連携してやっていきたいと考えています。

―「山陰ツーリズム人材育成塾」は4期生を迎えました。
人工知能(AI)では代替できないことが多い観光で「中核人材」を育てることはますます重要になっています。
受講生と卒業生のネットワークもつくり、地域の核となって活躍してもらいたいですね。

観光による山陰地域の活性化に興味、意欲のある皆さんへ。
是非、お持ちの熱意、そしてやってみたいコトを自ら文字や絵で描いてみてください。
次に、身近な友人や大人たちに説明してみてください。
まずは多くの人に話をし、理解してもらい、意見や感想を聞くことが第一歩だと思ます。
もし、評判がよければ私ども「山陰インバウンド機構」に来て話してください。
楽しみにお待ちしております。
「観光は人材」です!

野浪 健=鳥取県米子市出身(58歳)米子東高から早稲田大を経て、1988年にJTB入社。
四国エリア広域代表兼高松支店長、中国エリア広域代表兼広島支店長などを歴任し、2023年7月より現職。
16年振りに、地元に戻ってきました。着任後、休日には山陰をウロウロとドライブしています。そして、改めて山陰の魅力の幅や奥深さに驚いています。
また、観光関連に限らず様々な方々に話を聞いて回っています。特に地域の方のお話は今後も聞き、大切にしながら、機構の取組みに活かしていきたいと思っています。