―最近の業況はいかがですか。

2023年は新型コロナウイルス禍がようやく落ち着き、経済状態の改善や半導体不足の解消により受注残の消化が進みました。

国内の自動車の市場は5年ぶりに前年を超えて約478万台となり、お待たせしていたお客様にも予定より早く車を届けられるようになり、安心しております。

島根県内も全国とほぼ同様で、軽自動車を除く登録台数は前年比119%で好調な状況です。

―地域との連携に積極的ですね。

地域に欠かせない存在となることを目指し、各販売店で「この町いちばん活動」と題した地域貢献活動に取り組んでいます。

昨年秋には松江市消防本部とハイブリッド車など次世代車を使ったレスキュー講習会を開きました。島根県と防災協定を結んでおり、災害発生時は避難所や災害弱者施設に電源を供給できる給電車を提供する体制も準備しています。

日頃から有事に備えた講習を重ねると同時に、地域の困り事の解消をお手伝いできるように、今後も活動の幅を広げていきます。

 

 

―自動車整備士の不足が叫ばれるなど、業界では人材確保が課題になっています。

少子化の影響もあり、整備学校に進んだり自動車関連の業務に携わったりする人口が減少しています。

即戦力の獲得が難しくなっている中で、社員のスキルアップとともに高校生を対象とした採用も数年前に始め、育成に力を入れています。

1年間松江の研修施設でしっかり実務経験を積んでもらい、3級の国家資格を取得してもらった上で各地の店舗に配属し、我々の強みである技術力を支える整備士として成長してもらうのが目的です。勤勉で高い技能のある外国人材も登用していきます。
 

 

 

―今後の展望を聞かせて下さい。

自動車の安全性を巡る問題が相次ぐ中、改めて、お客様に安全安心で快適なカーライフを送っていただくという、仕事の原点を見つめ直す年にしたいですね。

そのために地域への貢献活動、人材育成を進めながら、走る楽しさをお届けしていきたいと思います。

 

これからは積極性、たくましさがより求められる時代になると考えています。

当社だけでなく、島根県の地域全体の発展のためにも、何か行動を起こそうという前向きな気持ちを持った若者が必要です。

失敗しながら、いろいろなことを経験すればいいんです。何事にも恐れずチャレンジしてください。

 

野々村健造氏=島根県松江市出身(73 歳)。2000年に現職に就任。

昔は週末になるとロードバイクに乗って80キロは走っていました。でもある日、大きめのけがをしてしまいました。

今は代わりに室内のローラー台でバイクをこいで運動をしています。本当は外に出たいんですけど、部屋の中で何も考えずにただバイクをこぐ時間も、これはこれでいいですね。
 

島根トヨタグループHP