
―住民の生活に関わる事業を担っています。
大きく分けて二つあります。一つは健康診断です。
人口が少ない地域はもちろん、県全域を回れる事業者は限られます。検診車を使い、中山間地域や離島に住む住民の皆さんのもとに伺っています。
もう一つは、環境系の検査です。水道水や学校のプールなどの水質や大気の検査、温泉の泉質分析など幅広く生活に関わる検査をしています。
―健康診断や人間ドックについて、コロナの5類移行で変化はありましたか。
受診率は回復しつつありますが、完全に戻ったとは言えません。引き続き、受診率向上に努めていきます。
公社を選んでいただくためには、同じ検査でも付加価値を付けることが大切だと考えています。
ありがたいことに人間ドックの評判がよく、リピーターが多いです。
検査を終えた時、その場で分かる結果を見ながら「今回はよかったですよ」と伝えるなど、ささいな声かけを大切にしていきたいです。

―松江市内に新たな健診拠点の建設が始まりますね。
住民健診を行う自前の施設として、2025年度の利用開始を目指しています。
会場として、事業所の会議室などを貸りる必要がなくなりますし、月に数回、土日の健診受け付けを工夫するなど都合を合わせにくい方も受診しやすくなると期待しています。
1日最大150人が受診できるようになる予定です。
清潔感あるトイレの設置や女性向け検査の環境を整えるなど、行きやすく、職員も働きやすい場所にしたいと思います。
―今後、特に力を入れたいことは何ですか。
健診で利用していただくために企業や市町村を回り、要望やニーズを聞く営業に力を入れたいです。
環境検査についてはまだまだ知名度が低いので、事業者だけでなく個人にも頼ってもらえるよう、広報に取り組んでいきます。

仕事と生活の両立を目指して、快適で働きやすい環境、島根県の美しい自然と文化に囲まれ、子育てや自己実現がしやすい環境を作り出せるように、様々な働き方の導入を目指しています。
未知の可能性に向けて変化をおそれず、新しい事への挑戦に積極的な方々をお待ちしています。

吉川敏彦=島根県出雲市佐田町出身(64歳)2020年に現職に就任。
県外の大学卒業後、島根県庁に入庁し、医療・福祉を中心に従事した後、公社に理事長として赴任。
一方で、大学時代から続けるフィギュアスケートの普及・選手育成と審判活動にも取り組んできました。
最近では、出身地の営農組合に加入し、米作りに従事するとともに、狩猟免許を取得し、有害鳥獣の駆除にも携わっています。