―北海道から九州まで広がる全国8支店・3サービスデスクの拠点網は他の地方信販にはない特徴です。

地方の企業が発展するためには、域外の成長を取り込むことも有効な手段だと考えており、県外都市部でのさらなる出店も計画しています。

主力分野である個品割賦は今の時代も消費者に支持される商品やサービスの購入手段です。

加盟店にとって最良のビジネスパートナーとなることで、当社の金融サービスを全国に展開していきます。

―新しいブランド戦略について若手社員と検討されています。

昨年の創立60周年を契機に若手、中堅社員を中心としたプロジェクトチームを立ち上げ、コーポレート・アイデンティティー(CI)の刷新に取り組んでおり、近く発表できる見通しとなりました。

今後は新しい経営理念や行動指針を社内に浸透させつつ、新たなブランドイメージも全国に向けて発信していきます。
 

 

―人材確保が難しくなる中、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが課題です。

人がやっている仕事をできるだけテクノロジーに置き換えることも必要で、当社が生成AI(人工知能)の業務利用を開始したのもその一環です。

さらにユーザビリティの点でより優れたウェブシステムを加盟店に提供するために、激しい開発競争をしています。

このような取り組みを重ねることで、人手不足でも、地方の企業でも持続的に成長できるビジネスモデルにたどり着きたいと思っています。
 

 

―社会貢献活動にも、長年積極的に取り組んでいます。

社員アンケートで当社の課題や働きがいなどを尋ねた時に「社会貢献活動をしていることを誇りに思う」という声が多数ありました。

そこで、従前取り組んでいるスポーツ・観光振興やボランティア活動などに加え、60周年事業として新たに地元高校4校に出向き金融リテラシー教育を行い、好評をいただきました。

今後も当地にしっかり軸足を置きながら企業として成長を続け、地域に還元していく考えです。
 

 

地域の課題を考える上でも、いったん外の世界を経験し、さまざまなことを感じ取ることが大切です。

そうすることで物事の本質をつかむことができるようになり、学んだことがこの先の思考の後ろ盾にもなるはずです。

「目指す将来は、現在の延長線上にはない」という意識を持ちながら前に進んでください。

 

古山英明=島根県出雲市出身(61歳)。2022年10月より現職。

若い頃、欧米の美術館を巡り、印象派の絵画を好きになりました。

今でも、東京や関西などへの旅の途中で印象派の企画展があると立ち寄るようにしています。その都度、図録を買うようにしていますので、かなりの冊数になっている筈です。

将来、それをぼんやり見ながら思い出に浸るのが楽しみです。

山陰信販㈱HP