「点と線と面の所在について」シリーズの作品を見つめる清水芳武さん=鳥取市丸山町、ギャラリー330
「点と線と面の所在について」シリーズの作品を見つめる清水芳武さん=鳥取市丸山町、ギャラリー330

 【鳥取】米子市在住の画家・清水芳武さん(82)の絵画展「具象から抽象へ」が、鳥取市丸山町のギャラリー330で開かれている。約60年間、制作を続け、途中で具象から離れ抽象画を描くようになった。新作と歩みを振り返る77点が並ぶ。4月4日まで。

 大阪府で会社員として働いていたが23歳の時、本格的に絵を学ぼうと上京。基礎デッサンで講師に「モデルの後ろを描くように考えなさい」と助言されたことをきっかけに、「見えないものを描く」ことを意識し、キュービズムの考え方にも影響を受けた。

 今回の絵画展で具象画、抽象画を明確に分けて絵画を見せ、来場者に作風の変遷をたどってもらう。「点と線と面の所在について」と銘打った抽象画のシリーズ16点は、一面の白と少ない線や点で「無」の空間を表現。下地に繊維状の素材を貼って絵の具の塗り方を変えたり、のこぎりで線を入れたりして、各作品で異なる技法を用いた。

 会期中、清水さんはギャラリーに常駐し、来場者と交流。「実際に足を運んで作品の意図や考え方をぜひ尋ねてほしい」と話した。

 午前10時~午後6時。入場無料。(吉金亮太)