「観光大使はまだ」の現大使の2人(浜田市観光協会提供)
「観光大使はまだ」の現大使の2人(浜田市観光協会提供)

 浜田市の魅力を発信する市観光協会の「観光大使はまだ」が、現大使の任期満了となる8月で終わる。長引く新型コロナウイルス禍で出演依頼が激減したためで、協会は大使に代わるPR方法を検討する。

 大使は2002年に始まり、市内に在住、勤務する18歳以上を対象に任期1年間で2~3人を公募。8月上旬に地元で開かれる「石州浜っ子夏まつり」で交代し、40人が活躍してきた。

 例年20回程度だったイベントなどへの出演依頼は新型コロナ感染拡大に伴い、減少。20年8月以降は現在までで4回にとどまり、ホームページやガイドブックのモデルとしての活動が主になった。

 もともと協会から大使への報酬はなく、イベントなどの主催者から日当や出演料を得る仕組みとなっている。

 新型コロナの収束時期が見通せず、協会は活動機会を提供するのが困難と判断。衣装代などの経費がかかることも踏まえ、コロナ禍での観光戦略を練り直す中で打ち切りを決めた。

 県内では県観光連盟の「しまね観光大使」がいるが、市町村単位での大使は珍しく、毎年定員を上回る応募があった。

 広島市に近い地理的条件から、同市での島根ふるさとフェアやひろしまフラワーフェスティバルでのPRが恒例の役割となっていた。

 中山良一事務局長は「本来の活動ができなくなり、致し方ない。コロナ収束後を見据え、大使に代わる新たなPR方法を考える」と話した。 (陶山貴史)