小林製薬の「紅こうじ」の成分が入ったサプリメントを摂取した人が健康被害を訴えている問題で、島根県は3日、新たに県内在住の3人から健康被害に関する相談があったと発表した。いずれも重症ではないという。県内で健康被害が疑われる事例の報告は計7件となった。
県薬事衛生課によると、3人は大阪市が回収命令の対象としている「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」または「ナイシヘルプ+コレステロール」を摂取した。2~4カ月間摂取し50代男性と60代男性は、頻尿や腹痛などを訴え症状が続いているが、入院はしていない。2年間摂取した50代女性は倦怠(けんたい)感や尿の泡立ちを訴えており今後、医療機関を受診する。
現時点で製品の摂取と相談のあった症状の因果関係は不明という。同課は、体に不安や異常がある場合は、あらかじめ医療機関に相談した上で受診するよう呼びかけている。
一方、鳥取県は3日、県内在住の50代女性が健康被害を訴えていると発表した。入院はしておらず、重篤ではないという。県内で被害が疑われる事例の発覚は初めてとなる。
県くらしの安心推進課によると、女性は2023年12月11日から24年3月22日までの間、「紅麹コレステヘルプ」を摂取した。背中や排尿時の違和感があり、尿の頻度や量が増加する症状が続いている。摂取との因果関係は特定できていないが、摂取後に症状が現れたという。
県内では米子、倉吉、鳥取市の各保健所と消費生活センターで相談を受け付けている。3月26日から4月3日午前9時までに「紅麹を食べても大丈夫か」「回収対象食品を食べたので不安」との相談が計23件寄せられた。
県と鳥取市は3日、合同会議を開き、各保健所に対応チームを設置して保健師が電話で健康観察し、必要に応じて医療機関の受診を案内する方針を確認した。平井伸治知事は「心配な人は窓口に相談してほしい」と述べた。
(原暁、岸本久瑠人)










